不動産投資の利回りは3種類 シミュレーションを用いてわかりやすく解説 理想の利回りとは?

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不動産投資の利回りは3種類 シミュレーションを用いてわかりやすく解説 理想の利回りとは?

不動産の中でも「アパート・ワンルームマンション・一棟マンション・不動産投資信託(J-REIT)」など、さまざまな投資手法があり、なにを基準に選んだらいいのか迷ってしまう方も多いと思います。

その基準の1つとして「投資利回り」があります。

今回は不動産投資における「投資利回り」について、その概要や計算方法、シミュレーションの方法や投資利回りを考える際の注意点について説明します。

不動産広告やインターネット情報上の利回り表示が適正なものか判断するときには、当ブログを参考にしてみてください。

不動産投資の利回り計算方法は3種類

投資は初期投資に対してどれほどのリターンがあるかという点を吟味して投資対象を決定します。

その比較をするときの指標となるものが「投資利回り」です。

それではさっそく、3種類の投資利回りの表示方法について紹介します。

①満室を想定した「想定利回り」

想定利回りとは、一棟アパートや一棟マンションに投資するときに全ての住戸が満室であることを想定し、1年間でアパートやマンションから生み出される収益(賃料)が、物件価格の何%に当たるかを表示したものです。

「満室想定利回り」と表示している場合もあります。

想定利回りは次のように計算されます。
(想定利回り)=(満室想定の月額賃料合計)× 12 ÷(物件価格)× 100

例)

・物件価格➡︎2億円
・住戸数➡︎16
・一戸当たりの賃料➡︎7万円
・現在の空室数➡︎2
・月額の平均経費➡︎20万円

よって
7万円 × 16 × 12ヶ月 ÷ 2億円 × 100 6.72
想定利回りを計算する際には空室や月額の経費を考慮しません。

②賃料収入に着目した「表面利回り」

表面利回りとは、現況の空室を考慮した1年間の賃料収入を物件価格で割って算出しされた利回りです。

現在の空室状況を反映しているため、より現実的な収入額をもとに計算されています。

表面利回りは次のように計算されます。
(表面利回り)=(現在の空室状況を考慮した月額賃料合計)× 12 ÷(物件価格)× 100

例)※上記と同条件
7万円 × 14 × 12ヶ月 ÷ 2億円 × 100 5.88

③経費を控除した「実質利回り」

実質利回りとは、先ほどの表面利回りを算出するときに用いられた賃料収入から、年間の必要経費を差し引いた金額を、物件価格で割った%になります。

NOINet Operating Income)と表わされることもあります。

実物不動産に投資する場合「管理費・修繕費・固定資産税・都市計画税・仲介手数料・給湯器やバスキッチンなどの水回り設備・エアコンの交換」といった設備更新費用などさまざまな経費がかかります。

このような経費のうち「管理費・修繕費・固定資産税・都市計画税」といった経常的にかかる費用を差し引いて算出したものが実質利回りです。

例)※上記と同条件
7万円 × 14 × 12ヶ月 20万円 × 12÷ 2億円 × 100 4.88

表面利回りの相場を確認

投資用不動産の表面利回りをいろいろな不動産情報サイトで検索してみると、物件によって大きな差があることがわかります。

不動産投資に期待する表面利回りは、投資対象物件が存在する場所が首都圏か地方か、都市部か郊外か、などによって大きく異なります。

また、投資対象となる建物の構造(木造一戸建て・木造アパート・RC造マンション)や、築年数(新築or中古)によっても変わってきます。

これは、不動産の中古流通市場において、価格が下がりやすいか下がりにくいかが大きく影響します。

期待利回りの地域差

地域について考えると、地方は人口が減っている地域が多く空き家問題も生じている反面、東京都はコロナウイルスの影響を除外すれば一貫して人口が増加している傾向にあります。

その結果、住居系の不動産の流通について都市部と地方では大きな違いが見られ、これが不動産価格および期待利回りにも影響しています。

建物の構造にみる期待利回り

建物の構造についても、木造アパートや賃貸用の木造一戸建ての投資の場合、中古市場における建物価格の下落の程度が大きいために、期待する利回りも大きくなければなりません。

一方、構造のしっかりしているRC造のワンルームマンションの場合には、築年数における価格の下落が緩やかで、不動産市況によっては価格が上がる場合もあります。

そのため、木造建物への投資に比べ期待する利回りはそれほど高くないという特徴があります。

新築・中古にみる期待利回り

新築物件と中古物件では期待利回りに大きな違いが生じます。

新築物件の場合、不動産の販売価格にいわゆる「新築プレミアム」と呼ばれるプレミアム価格が上乗せされて販売されるために、利回りは比較的低くなります。

ただし、入居者に人気があるため空室リスクが低いという特徴があり、収支計画が立てやすいという利点もあります。

一方で中古物件は、築年数の浅いものでも新築よりは相当程度安価に取引される傾向があります。

この差がいわゆる「新築プレミアム」です。

加えて築年数が経過するとともに少しずつ劣化していくことから、一般的には物件価格が下がってきます。

その結果、期待する利回りも高くなります。

期待する表面利回りの実際例

表面利回りを例にとって、具体的に期待する表面利回りの相場を見ていきましょう。


東京都・市部を想定した期待表面利回り

日本不動産研究所では、地域別のワンルームマンションの期待利回りを発表していますが、やはり地域によって期待する表面利回りに差が生じています。


東京城南地区【港区・品川区・目黒区・大田区】
日本不動産研究所「第43 不動産投資家調査」より抜粋

ほかの金融商品と不動産投資の利回りを比較

ほかの金融商品の投資と、実物不動産投資とで利回りを比較するときには、実物不動産投資の利回りについて「実質利回り」をもとに比較する必要があります。

株式や不動産投資信託の場合には、投資時に一定の購入手数料を証券会社に支払いますが、運用期間中はほとんど経費がかかりません。

一方で実物不動産投資は、直接賃料収入を得られますが、管理費や固定資産税などの必要経費が発生します。

そのため、そのような必要経費を差し引いた「実質利回り」で比較する必要があるのです。

株式投資・JREIT・実物不動産投資を比較

一部上場企業の株式の配当利回りの平均はおおむね2%程度です。

一方、不動産投資信託「J-REIT」の配当利回りの平均は4%前後となっています。

実物不動産投資の実質利回りについては、投資対象の不動産の種類によって異なりますが、概ね3.5%から地方の木造アパートでは10を超えるものもあります。

このように、実物不動産投資は利回りが株式への投資よりも高くなっており、月々安定した収益を得ることができるため、多くの投資家から支持を得ています。

利回り以外に考慮する要素

株式投資との比較において、利回りだけで比較することは絶対に厳禁です。

投資に対するリターンを考えるときに、インカムゲインとキャピタルゲインにわけて考えることが重要です。

インカムゲインとは
不動産の賃料や株式投資における配当のように、投資期間中に得ることのできる収入のこと。
キャピタルゲインとは
投資対象を売却したときに得られる売却益のこと。

不動産投資の場合、バブル時期はキャピタルゲインを重視して売買されていましたが、現在の経済状況を考えると不動産価格が上がり続けるということはなくなっているといえます。

したがって、今の時代の不動産投資はインカムゲインを重視した投資といえるでしょう。

一方、株式は価格の変動率が不動産に比べてずっと高く(ボラティリティが高い)、株式相場が下がったときに株式を購入し、上がったときに売却するというキャピタルゲイン重視の投資手法であるといえます。

キャピタルゲインも合わせて考慮した場合の株式投資における年間の平均利回りを算出して見ると、おおむね57%ぐらいになるといわれています。

しかし、株式は銘柄によって価格の変動幅の大きさ、配当性向(当期利益のうちどれぐらいを配当にあてるか)などが大きく異なります。

また銘柄によっては急激に価格が下がる、あるいはゼロに限りなく近くなることもあります。

このような投資対象や投資手法の特徴を理解しながら、どの投資対象に投資するのが自分に合っているかを判断すると良いでしょう。

実際に不動産投資をするときの目安となる利回り

では、実際に不動産投資を行うときには、先ほど紹介した期待利回りぐらいの利回りがあれば十分といえるのか。

不動産投資は全て自己資金で行うものではなく、金融機関からの借入を組み合わせて投資することによって、大きなリターンが期待できます。

金融機関からの借入額によっては、賃料収入と管理費などの必要経費、金融機関への元利払いのバランスが取れず、収支が合わないことも少なからずあります。

また「空室リスク・災害リスク・賃料下落のリスク・不動産価格の下落リスク」など、さまざまなリスクをマネジメントする必要があります。

したがって、実際に不動産投資を行うときには、資金に余裕をもって投資計画を立てる意味でも、期待利回りに1%程度プラスした利回りの条件を満たす物件を探したほうが良いと思います。


目安となる利回り【東京都・市部】

不動産投資の利回りシミュレーション方法

不動産投資における表面利回り・実質利回りは、投資対象物件を比較するときには役立ちます。

しかし、実際に投資した場合の収支は「自己資金はいくらか?」「借入金をどのぐらいにするか?」によって異なってくるため、実質利回りがそのまま実際の利回りになるというわけではありません。

全額自己資金で投資した場合には、実際の投資利回りは実質利回りに近い値となります。

不動産投資の利回りシミュレーションをするときの重要な点は「収支がマイナスにならないか」「長期的な視野で投資判断ができているか」ということです。

収支がマイナスになるような不動産投資を勧める業者も稀にいますが、空室リスクや災害リスクがある投資である上に収支がマイナスになるようでは、投資対象としては選択できません。

収支がプラスになることを前提にして、自己資金に対して年間の手残りの収益がどれだけあるかを計算して利回りを算出します。(レバレッジ効果を考慮した利回り)

以下の例を見てみましょう。

・物件価格:2,500万円
・年間賃料:168万円
・年間必要経費:25万円
・自己資金:700万円
・年間元利払い金額:894,636円(1,800万円・返済期間25年・金利1.8%)

この場合「年間賃料」から「年間必要経費・年間元利払い金額」を差し引いた金額は535,364となります。

これを自己資金で割って算出した利回りは以下のようになります。
535,000 ÷ 700万円 × 100 7.64

一方、全額自己資金で投資した場合の実質利回りは以下のようになります
168万円 25万円)÷ 2,500万円 × 100 5.72

借入による他人資本を利用して投資することによって、投資利回りが上昇したことが確認できると思います。

これが、不動産投資における「レバレッジ効果」です。

不動産投資の利回りを考えるときの注意点

不動産投資の利回りは、株式や債券投資とは異なり、賃料収入と必要経費の額が大きく影響します。

また、賃料収入は空室リスク・賃料下落リスクなどがあり、この先もずっと一定であるとは限りません。

不動産投資利回りを考える際には、このような要素を念頭に置きつつ物件選びをしていきましょう。

高い利回りの物件に飛びつかない

不動産情報サイトで投資用物件を検索してみると、利回りの高いものがたくさん抽出されてきます。

中には、利回りが1520%の木造アパートも掲載されています。

しかし、このような利回り表示は、多くの場合満室想定利回りが表示されています。

いくら利回りが高くても、空室だらけでは投資に適した物件とはいえません

とくに地方の物件を探す場合には、利回りの表示が適正かどうかしっかりと確認する必要があります。

実際に現地調査し、空室の状況を確認することによって、マンション・アパート経営の実態を把握することもできます。

また、投資用物件を不動産会社や信託銀行などから紹介されたときに、利回りが周辺物件よりも高い場合には、高い利回りで売却される理由を聞いてみることが大切です。

実際、売主の事情で早期に換金したいなどの理由があり値段を下げている物件もよくあります。

このような物件はお宝モノですが、中には事故物件に遭遇したり、管理状況が悪かったりして買い手がつかず、やむを得ず価格を下げている場合もあります。

物件概要に表示された利回りは、投資物件を選ぶ際の参考にはなりますが絶対ではありません。

実際に物件を現地調査したり、詳細な資料を取り寄せたりするなどして、物件の実態を把握するように心がけましょう。

利回りを比較するときには同じ基準で比較する

複数の物件の良し悪しを判断するときに、物件概要に表示された利回りは1つの指標になります。

しかし、複数の物件を比較するときには同じ基準で比較することが重要です。

表面利回りならば各物件とも表面利回りで、実質利回りならばどのように算出された実質利回りなのかについて物件ごとに詳細に把握し、これも同じ基準で算出された実質利回りで比較すべきです。

利回りの表示方法は不動産会社によってもまちまちで、「表面利回り」と表示されていても満室想定だったり、「実質利回り」と表示されていても全ての必要経費が差し引かれていなかったりします。

不動産会社から提案された物件概要を鵜呑みにして、利回りのみを比較するのは大変危険です。

物件ごとに必要経費を項目ごとに洗い出し、同じ基準で実質利回りを算出し比較すると、どの物件が優れているのかがわかってきます。

1番に実質利回りを重視する

満室想定利回りや表面利回りは、物件を把握する際の1つの目安にはなりますが、実際に受け取る収益を反映したものではありません。

物件を選ぶ際には、とくに実質利回りを重視して比較検討することが大切です。

投資に対するリターンの良し悪しは、収入から必要経費を差し引いた実質的な手残りがいくらなのかによって判断されます。

実質利回りを重視することによって、投資計画において収支がマイナスになることを回避でき、健全な投資を実現することが可能になります。

まとめ

不動産投資における利回りの表示は、おもに「想定利回り・表面利回り・実質利回り」3種類があります。

不動産情報サイトに掲載されている利回りや、不動産業者に紹介された投資物件の物件概要に記載されている利回りは算定の根拠が曖昧な場合が多いです。

複数の物件を比較する際には、当ブログの内容を参考にして、自分で表面利回り実質利回りを算出してみると良いかと思います。

不動産投資に関するご相談はぜひ弊社にお任せください。

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